冬の乾燥をふせぐ方法
ただいま、冬の真っ最中。冬になると読者から寄せられる質問でいちばん多いのが、「冬の乾燥防止」についてです。そこで、今回は冬の乾燥を防ぎウィルスを撃退させるための方法をさまざまな角度から紹介します。


カラカラの冬の室内、
湿度を保ってウィルス撃退!.1


室内の空気が乾きすぎると、風邪には最適の環境
 冬は、空気1立法メートルあたりの外気の水蒸気が5グラム以下になります。こうした乾燥した空気が家に侵入すると、室内はカラカラ状態になり、風邪が流行するための最適な環境になるわけです。
 そこで、家族の健康をまもるためにいちばん注意したいのが湿度です。まず、〈冬と湿度の適切な関係〉についてわかりやすく説明します。
 健康に対する最適な湿度範囲は40〜60%ですが、冬にはこの理想ゾーンをかなり下回ることも珍しくありません。冬の冷たい空気はもともと乾燥していますから、暖房システムが作動していると、いよいよ乾ききってしまいます。
 乾燥状態、湿気のない環境にあると、鋭敏な鼻の粘膜が炎症を起こし、空気によって運びこまれる科学物質やウィルス、アレルゲンに抵抗に抵抗できなくなります。冬になると風邪をよくひいたり、アレルギー症状があらわれたり、ゼンソクが起こったりしますが、多くの場合、湿度の低さに原因があります。

湿度30%以下だとウィルス繁殖の要注意!
 空気中に放出されたウィルスが6時間にどれくらい生存しているかを調べた海外の研究データーがあります。気温22度で湿度20%のときの生存率は66%、しかし同じ気温で湿度が50%に高まると、4%しか生き残らないという報告がなされています。
 オフィスなどのビルではビル管理法によって、40%以上に保つことが定められていますが、残念ながら、一般の家屋にはこうした法律はありませんので、自らが湿度をきちんとチェックすることが大切になります。
 冬、加湿していないご家庭では、だいたい30%前後の湿度になっているはずです。これでは、「ウィルスさん長生きしてくださいね」と言っているようなものです。

加湿器は、健康にかかせないもの
 そうなると頼りになるのはやはり加湿器です。ここに興味深い報告が発表されています。
 九州芸術工科大学の研究スタッフが、冬場に工場で働く人たちに、加湿器の有無による実験アンケートをしました。
 最初の1カ月は加湿器なし(湿度6〜18%の状態)で働いてもらったところ「目の痛み」「肌の乾き・かゆみ」「のどの乾き」を訴える人が多数でました。こんどは加湿器をいれ湿度を40%前後にすると、症状を訴える人が半減し、加湿器の有無によって健康状態が左右されることがわかりました。

湿度が高いとあたたかく感じる
 空気中の湿り気はあたたかさや涼しさの感じ方にも影響します。つまり、湿度が高いとある程度あたたかく感じるようです。反対に同じ温度でも、湿度が低く空気が乾いていると、皮膚の表面から水分が蒸発しやすくなり、気化熱が奪われ涼しく感じるそうです。
 ある大手のエアコン会社が独自の体感温度調査をしたところ、「室内が28度でも、湿度が20%しかないときは涼しく感じるが、室内が22度でも湿度が50%あればあたたかく感じる」という結果がでたそうです。
 こうした実験データーをもとに、この会社では去年から加湿機能を加えたエアコンを売り出したところ、大きく売り上げを伸ばしました。

湿度を上げすぎると、結露やカビの心配もこまめにチェックし、家の中の湿度を極力40〜60%に保つようにしましょう
 ただ冬の乾燥防止のためにむやみに湿度を上げると、こんどは結露やカビの問題がしのび寄ります。湿度が70%以上になると、壁や家具、エレクトロニクス機器にカビが生じたり、家族の健康にもトラブルが発生したりします。さらに壁などに生えるクロカビやススカビは、アレルギーの原因にもなります。また、一日の間でリビングなどは30%くらい上下します。湿っぽい日には、押し入れや北側の壁際の湿度が80%くらいになることがあります。
 つねに湿度管理をして、家の中をチェックしてほしいものです。また、ウィルス侵入を予防するには空気をよどませないための換気も大事です。
 最後に加湿器の清掃は、こまめにするように心がけてください。加熱式以外の加湿器だと水を入れるタンクに菌やカビが繁殖し、汚れたまま使用するとゴミや水あかなども一緒にそのまま室内に放出されてしまい、ハウスダストの原因にもなるので注意してください。

加湿器の種類は?

●スチーム式加湿器(加熱式)
○電熱で水を沸騰させて、蒸気を放出させる方式。水中の雑菌もヒーターで加熱殺菌するので、蒸気がクリーンです。加湿に時間がかかるが、音は静か。

●自然気化式加湿器
○加湿マットに毛細管現象で水を吸い上げて湿らせた状態にし、それにファンで風を送って、空気の湿度に応じて加湿する。加湿マットがフィルターを兼ねているので、空気清浄作用があります。

●超音波式加湿器
○超音波を振動させて、細かい水滴を放出する。加熱しないで、火傷の危険性がなく、エネルギー消費も少なくて経済的。加熱がない分、細菌ごと水滴を放出する恐れもあり、こまめな手入れが必要です。

自然乾燥による加湿
○今もよく行われているのが、洗濯物を室内に干して湿度を調節する昔ながらの方法。加湿器で細菌やゴミの放出されるのが心配な家庭では、今の生活をそのまま乾燥対策に利用できるので合理的です。

ハウスダスト除去に「空気清浄機」
○目にはみえないハウスダストを除去するには、こまめにお掃除や換気をおこなうことが必要ですが、最近では、ハウスダストの除去や湿度調整の機能を備えた「空気清浄機」もあるので、あわせて検討してみるとよいでしょう。